宮古市議会 > 2001-09-26 >
09月26日-03号

  • "子供"(/)
ツイート シェア
  1. 宮古市議会 2001-09-26
    09月26日-03号


    取得元: 宮古市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-13
    平成13年  9月 定例会          平成13年9月宮古市議会定例会会議録第3号第3号平成13年9月26日(水曜日)---------------------------------------議事日程第3号 日程第1 一般質問       20番 千束 諭君 ・姉ヶ崎サンスポーツランドについて…100                 ・産業戦略懇話会設置について                 ・広域合併について        4番 中嶋 榮君 ・防災対策について…………………………108                 ・教育機関の安全管理体制について                 ・医療費の抑制策について       23番 田中 尚君 ・行財政問題について………………………116                 ・タラソテラピー施設について---------------------------------------本日の会議に付した事件 上記日程のとおり出席議員(27名)   1番   千葉胤嗣君           2番   田頭久雄君   3番   三上 敏君           4番   中嶋 榮君   5番   山口 豊君           6番   近江勝定君   7番   沢田 勉君           8番   平沼 健君   9番   蛇口原司君          10番   中野勝安君  11番   佐々木武善君         12番   工藤 勇君  13番   中里栄輝君          14番   竹花邦彦君  15番   本田賢三君          16番   松本尚美君  17番   岩間 弘君          18番   城内愛彦君  19番   山野目輝雄君         20番   千束 諭君  21番   永浦奎輔君          22番   野沢三枝子君  23番   田中 尚君          24番   山崎時男君  25番   成ケ沢仁明君         26番   坂下正明君  27番   落合久三君欠席議員(1名)  28番   前川昌登君---------------------------------------説明のための出席者  市長       熊坂義裕君       助役       主濱 了君  収入役      長門孝則君       会計課長     駒井重則君  総務企画部長   西野祐司君       総務課長     沼崎幸夫君  企画課長     金沢康拓君       商工観光課長   小本 哲君  産業振興部長   細越雅佐浩君      農林課長     佐々木建彦君  財政課長     中洞惣一君       税務課長     君澤清吾君  消防防災課長   野澤正樹君       水産課長     嶋田宗治君                       農業委員会  地域振興室長   土澤永喜君                高橋秀正君                       事務局長  教育長      中屋定基君       教育次長     白根 進君  学校教育課長   伊藤晃二君       建設課長     浦野光廣君  都市整備部長   宇都宮 満君      都市計画課長   制野忠彦君  社会教育課長   伊藤賢一君       スポーツ振興課長 清水 登君  生活福祉部長   鈴木健市君       地域福祉課長   小林健一君  健康推進課長   坂本邦雄君       下水道課長    森  勝君  監査委員事務局長 山内伸一君       清寿荘院長    岩間正一君  総合窓口課長   中嶋敏孝君       環境生活課長   腹子哲男君  きれいなまち  づくり推進    廣田司朗君       水道事業所長   祝田健二君  センター所長---------------------------------------議会事務局出席者  事務局長     飛澤寿男        事務局主幹    杉村 憲  速記員      駒井和子 △開議              午後1時01分 開議 ○議長(蛇口原司君) ただいままでの出席は27名でございます。定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。--------------------------------------- △日程第1 一般質問 ○議長(蛇口原司君) 日程第1、一般質問を行います。順次質問を許します。 20番、千束諭君。             〔20番 千束 諭君登壇〕(拍手) ◆20番(千束諭君) 世界じゅうを震撼させた同時多発テロ事件で犠牲になられました方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、極悪非道のテロ組織が一日も早く根絶されますことを心から願い、平成13年9月定例議会の質問を行わせていただきます。 第1点目に、姉ヶ崎サンスポーツランドについてのお尋ねでございますが、ことしも海水浴シーズンが終わり、いつもの静けさを取り戻した浜辺は心なしか寂しくもあり、深まりゆく秋の気配を肌で感じる季節となりました。ことしは特に夏の天候にも恵まれず、県下の主要海水浴場は軒並み不調に終わり、全体では前年比35%も落ち込むなどの厳しい総決算を強いられたようであります。かつて宮古の子供たちは、夏休みにもなると、連日、浜に繰り出し、内陸からも臨海学校へ子供たちが大勢訪れるなど、浜には終日、子供たちの歓声が響き、それが夏の風物詩でもあったような気がします。しかし、昨今においては、地元も含めた子供たちが海や川で遊ぶ姿も少なくなり、余暇の過ごし方が多様化したものと思われますが、それにもまして、内陸や都市部を中心に温水プールが整備されるなど、これまでの水泳環境が大きく変わり、今ではむしろ内陸や都会っ子の方が水泳の機会に恵まれていると言っても過言ではありません。水泳は健康増進に有効であるばかりか、時としてはみずからの命を守り、あるいはとうとい人命の救助に役立つことも珍しくはなく、幼児期から水になれ親しみ、泳力を身につけておくことがいかに大切であるか痛感するものであります。幸いにも本市には姉ヶ崎スポーツランドが整備され、多くの市民が利用するなど大きな役割を担っているところでありますが、特に幼児や小学生の水泳動向がどのように推移し、またコースごとスイミングスクールはどのような利用状況にあるのか、お伺いいたします。 次に、本市における産業戦略懇話会設置についてお伺いします。 私は、これまでに繰り返し、本市の優位性や得意分野を生かした新しい戦略の必要性を申し上げてまいりましたし、その手法としてもさまざまな提案を行い、かつ、また幾つかの問題点も指摘させていただきました。行政にあってはテリトリー意識と申しますか、縦割り行政の是正と市職員の事なかれ主義の一掃、あるいは民間における他力本願的な体質の改善と危機感の共有などについて述べさせていただきましたが、そのことはとりもなおさず自己評価と自己改革、すなわち反省と検討の繰り返しが発展への登竜門であり、飽くなき戦略こそが必ずや反映をもたらすと確信するからであります。 本市には、各産業ごとに団体や組織が編成され、それぞれの立場から市勢発展に大きく寄与されてまいりましたことは申すまでもございません。しかし、昨今にあっては、国際競争や地域間競争を強いられ、従来型の発想や手法では、いささか手詰まり感を禁じ得ない状況となっておりますことから、新たな戦略や対応が急がれるところでございます。先ほども縦割り行政に言及しましたが、行政ならずとも、民間にあっても現実的には「木を見て森を見ず」的な傾向が依然として根強く、言いかえれば点を凝視するが余り、全体像をとらえ切れないのが実態でありましょう。今こそ市民各階層が大同団結し、時代背景や問題点を徹底的に検証しながら、森を広く見渡すことによって新たな発想と手法が生まれてくるものと思われます。 いずれにしましても、産業単体に付加価値を加味することは至極当然でありますが、産業間の連携を深め、複合化を進めていくには、市民の理解と英知に負うところが極めて大きく、各種産業の団体組織を包括的に網羅した産業戦略懇話会なるものを設置し、立体的かつ総合的に機能させるべきと考えますが、当局の見解をお伺いします。 次に、3点目の広域合併について質問させていただきます。 平成7年4月1日に、市町村の合併の特例に関する法律、いわゆる合併特例法が改正され、財政面や規制緩和で種々の支援を行い、合併を推進しようとするものであります。合併特例法の概要としては、自主的な市町村合併の推進と住民発議制度の創設、あるいは財政面での支援や国・都道府県の役割の明示が掲げられておりますが、あくまでも地域住民の意向が十分尊重された市町村の自主的合併が大前提になっております。 県内においては、先般、本県初の合併重点支援地域に指定されました大船渡市と三陸町が9月定例県議会の議決も経て、いよいよ11月15日の合併に向けた準備を進めておりますことはご案内のとおりでございます。大船渡市では、昭和60年10月、大船渡商工会議所内に気仙2市2町合併を考える特別委員会を設置し、住民への世論喚起を図ることを目的に各種懇談会や啓蒙活動に取り組み、平成元年5月には、それぞれ2市2町議会に合併推進の請願が提出されました。大船渡市議会では、同年12月に、広域合併調査委員会を設置し、平成4年2月20日には、気仙広域の合併推進が望ましいとの調査報告がなされた経緯がございます。しかし、その後においては、昨年4月1日の地方分権一括法施行や県から公表された広域行政推進指針を契機とし、とりあえずは交流の深い大船渡市と三陸町1市1町の合併に向けて一気呵成に動き出したようであります。 申し上げるまでもなく、市町村の合併は一朝一夕にしてなせるものではなく、あらゆる角度から検討を繰り返し、一方では地域住民とのコンセンサスを高めながら、不断の努力を積み重ねて初めて達成できる一大事業であります。本広域における合併問題は、あらゆる社会状況から勘案しても避けては通れず、いずれ早晩、検討に付されるものと思われますが、しかし、いやしくも当初から合併ありきで進められることがないよう、そしてまた官と民の区別なく自由に忌憚のない意見交換ができる環境を早急に整え、住民の総意として形成されていくプロセスが肝要であると考えるのであります。合併特例法は、平成7年4月以来、平成10年及び11年、さらには12年と年ごとに改正され、表向きは市町村の自主的合併としながらも、市制施行の人口要件5万人に対し、平成17年3月までならば4万人、平成16年3月までならば3万人でも構わないとするなど、駆け込み需要をねらったしたたかさも見え隠れするのであります。しかし、いずれにしましても、市町村合併は時代の趨勢であり、ほかならぬ該当する地域の利益が目的でありますことから、しばらくは全国的なゴールドラッシュならぬ合併ラッシュが続くものと推測されますが、当局の見解をお伺いいたします。 以上で壇上からの質問を終わり、後ほど自席から再質問を行わせていただきます。(拍手) ○議長(蛇口原司君) 熊坂市長。             〔市長 熊坂義裕君登壇〕 ◎市長(熊坂義裕君) ただいまの千束諭議員のご質問のうち、私からは広域合併についてのご質問についてお答えいたします。 広域合併をめぐる最近の県内の動きといたしまして、議員ご案内のとおり、大船渡市と三陸町の合併について、両市町議会の可決を受け、先週19日に招集された9月定例県議会で合併が議決され、総務大臣告示を経て11月15日に「市町村の合併の特例に関する法律」いわゆる市町村合併特例法の改正法に基づく県内第1号の合併が実現される予定であります。これは地域の状況や事務手続期間などから考えても、非常に速い展開であり、同じ三陸沿岸の都市として強い関心を持って推移を注視しておりましたが、合併の実現が確実になったことに対し、深い感慨を覚えると同時に、今後の動向にも注目していきたいと思っております。 一方、当宮古広域におきましては、従来より消防やごみ、し尿処理等を広域7市町村による一部事務組合での実施や宮古地区広域市町村連携推進会議を組織して、広域観光事業や介護保険の認定審査等を行うなど、広域事業の推進により連携を深めてきたところであります。しかしながら、少子・高齢化の進行等、今後の地域社会の大きな変化に対応するとともに、本格的な地方分権時代を迎え、地域の特性を踏まえた住民本位の行政サービスを責任を持って提供できる体制を整備・維持していくため、広域行政のさらなる推進が必要であると考えており、広域行政の究極の形である合併につきましては、私とすれば積極的に推進すべきと考えておりますが、その最終的な選択は、各自治体が地域住民ともに自主的に判断するものと存じております。現在、庁内での研究・分析用として活用する目的で、合併のメリット、デメリットや、行政サービス関係客観的資料を作成する準備を進めており、それらを住民に提示して自由な意見をいただくことや、民間の各界・団体との意見交換の場の設定についても検討するなど、十分な議論を積み上げながら、市民全体の総意として最終判断に至るような、そうしたプロセスを重視して進めてまいりたいと考えております。 その他のご質問につきましては、関係部長から答弁をさせます。 ○議長(蛇口原司君) 中屋教育長             〔教育長 中屋定基君登壇〕 ◎教育長(中屋定基君) 初めに、小学生の水泳動向についてお答えいたします。 学習指導要領に示されている水泳の学習は、小学校4年生から始まりますが、低学年では基本の運動の中で水遊びや浮く運動などの水に親しむことが中心となります。4年生では、呼吸しながら10mから25m程度をクロールや平泳ぎで泳ぐことが目標となります。5、6年生では、呼吸しながら25mから50m程度を平泳ぎで泳ぐことが目標となります。したがいまして、泳力の動向とすれば、5、6年生の状況把握が望ましいと思われます。当市小学生5、6年生の泳力の実態といたしますと、25mを泳げる5年生男子73%、女子69%、6年生男子84%、女子87%となっております。なお、幼稚園児につきましては、泳力動向は把握しておりません。 次に、スイミングスクールの現状でございますが、姉ヶ崎サンスポーツランド温水プールでは、サーモン幼児コースサーモン小学生コースメンズコースレディスコースモーニングコースシルバーコースの6コースを開設しており、スクール利用者は延べ2万 5,685人で、プール利用者全体の59%を占めております。また、幼児と小学生までの利用を見ますと、幼児コースで延べ 3,615人、小学生コースで延べ1万 4,666人の利用があり、幼児・小学生コースの利用者は合わせて1万 8,281人で、全利用者の42%を占めております。今後とも児童・生徒全員が泳げるようになり、子供たちが海でも山でも川でも遊びができるよう、取り組んでまいりたいと存じます。 以上、答弁といたします。 ○議長(蛇口原司君) 細越産業振興部長。             〔産業振興部長 細越雅佐浩君登壇〕 ◎産業振興部長細越雅佐浩君) 産業戦略懇話会設置についてお答えいたします。 当市の得意分野を生かした産業戦略が不可欠という千束議員のご指摘は同感であります。水産業、農林業、工業及び観光業等が、豊富な資源及び有能な人材があるにもかかわらず生かし切れていないのが現状であろうと考えております。地域産業が活発に活動し、安定した雇用の場が確保されるためには、広域連携を推進し、地域産業が相互に連関して地域資源の特徴を生かした新しい人づくり、物づくりが求められております。人づくりについては、企画力を持ち、行動力、実践力のある起業家の育成と働く意欲のある人材の育成が重要であり、産・民・学・官の連携の中で、同業種や異業種交流等の多種多様なネットワークを構築することにより、有能な人材育成が図られるものと考えております。地場企業が勝ち残るためには、企業の育成事業を推進することが極めて重要な課題となっており、産・学・官のネットワークを活用した新製品、新技術開発が不可欠であることから、来月、岩手大学と宮古市の相互友好協力協定を締結する運びとなっており、宮古地域産業振興の新たな出発点と考えております。 さらに、まだ仮称でございますが、宮古モノづくりネットワークを、ことし11月に宮古地方振興局岩手大学等と宮古市の主催によりまして設立することとしております。このモノづくりネットワークは、工業部会、農産部会、水産部会及び林産部会を設置する予定でございますが、以後、皆様のご意見を取り入れながら、充実を図っていく計画でございます。 これらが、議員ご提案の全産業諸団体を網羅した産業戦略懇話会としての役割を果たすものと考えており、このモノづくりネットワークが今後の産業、活気みなぎるまちづくりのための起爆剤となるものと考えております。 以上、答弁といたします。 ○議長(蛇口原司君) 千束諭君。 ◆20番(千束諭君) ただいまは、私の質問に対しまして、それぞれ誠意あるご答弁をいただきましてありがとうございます。 それでは、順次、再質問をさせていただきます。 最初に、この姉ヶ崎サンスポーツランドについての質問ということで、私は2つの問題点をお尋ねしたわけであります。1つは、特に幼児あるいは小学生における、この水泳の動向、この動向の理解の違いがあったのかなと。動向というのは申し上げるまでもなく、そういう全体としての方向性、流れ、移り変わり、そういっものが動向ということで、私が問題にしましたのは、ややもすると、余り海とかあるいは川など、そういったところで子供たちが自発的に遊ぶという機会が少ないんじゃないかなと。その背景には、先ほども言いましたように、何といいますか、ファミコンだとか、あるいはいろんな家の中での遊びだとか、あるいはまた温水プールの普及によって、海に出る必要性がなくなったと言えばそれまででありますけれども、宮古には、これだけ立派な海があって、海水浴場があって、ましてや来年度から新学習指導要領ということで週5日制になります。余暇活動が大幅にふえるわけでありますけれども、そういったことも相まって、せっかく宮古に生まれて海に余り出ないということを、何とか考えていただきたいなと、そういう意味でのお尋ねであったわけであります。これについては答弁はいいわけでありますが、小学校のいわゆるサーモン小学生コース、6つのコースの中の1つですが、ここのまず利用状況をお伺いします。 ○議長(蛇口原司君) 清水スポーツ振興課長。 ◎スポーツ振興課長(清水登君) 小学生サーモンコースについての利用状況についてお答えします。 小学生コースは、初級・中級・上級、A、B、C、D、E、Sクラスと6つのクラスになっておりますけれども、初級の部分がEとDというコースであります。そこで、現在 210名が受講しております。幼児につきましては、年少と年長というコースがございますけれども、合わせて 125名の利用でございます。 ○議長(蛇口原司君) 千束諭君。 ◆20番(千束諭君) 私の質問が、どうも要領を得ないようであります。もう一度お聞きしますが、それじゃ、ちょっと視点を変えまして、小学生コースは、もちろん募集枠があるわけでありますよね、その募集枠に対して応募というか、希望される数といいますか、いわゆる需要と供給についての利用状況をちょっとお答えいただきたいと思います。 ○議長(蛇口原司君) 清水スポーツ振興課長。 ◎スポーツ振興課長(清水登君) 需要に対する供給ということだと思いますが、先ほど申し上げたのは 210名受講者があると。希望者については2倍強の希望者があると認識しております。
    ○議長(蛇口原司君) 千束諭君。 ◆20番(千束諭君) 聞くところによれば、どうも小学生コースに限っては、この枠の中に抽選で入れば、辞退をしない限り、あるいはそういうことがない限り、持ち上がりで枠の中に入っていく。しかし、残念ながらその枠に漏れてしまった場合、また再募集があったときにまた応募するけれども、かなりの少ない数の中で競争率が非常に高くて、そしてまた漏れてしまう。もうそういうことで、ついにこの小学校6年間、ただの1回もスクールに入れなかった、こういう声を非常に多く耳にするわけであります。 1つしかない施設でありますから、キャパの問題もあろうかとは思いますけれども、しかし、ここは先ほども申しましたように、それぞれのコースが同じぐらい大事なことは私も理解できるのでありますけれども、事この小学生における水泳というものは、まさに伸び盛り、育ち盛りの基礎体力の形成には、これはもう非常に欠くことのできない運動であります。しかも自転車と一緒で、水泳も比較的年齢の低いときに自転車に乗れると一生乗れるわけです。あるいは水泳も年齢の低いときに泳ぎをマスターしますと、これも生涯、間違いなく水泳ができるわけです。これが、あるいは不幸にして低年齢期に自転車に乗る機会がなかった、あるいは泳ぐ機会がなかったとすると、ややもすると、これが大人になっても泳げない、あるいは自転車に乗れないということも当然あるわけであります。そういう意味からも、ぜひこの小学生が、希望する子供たちが一人でも多く、できれば漏れなく、この小学生のサーモン小学生スクールに通えるように、ちょっとこのローテーションなり、あるいは中身をちょっと変えていただきたいなと。6年間、もしそれだけの需要に対して供給がおぼつかないのであれば、一方の子供は6年間通って、一方の子供は全く通えないということがないように、その辺の何といいますか、調整というものを早急に取り組んでいただきたい、このことについて、ひとつお答えをいただきたいと思います。 ○議長(蛇口原司君) 清水スポーツ振興課長。 ◎スポーツ振興課長(清水登君) 小学生の時期に水泳を覚えるということについては重要なことであると、そのように認識をしております。今年度、姉ヶ崎サンスポーツランドにおいて運営協議会あるいは利用者協議会というものを発足いたしました。そこの協議の中でも、やはりスイミングスクールの抽選漏れの方が多いという事実が話されまして、今後の課題といたしまして、これらのコースの配分について、協議会、運営利用者協議会を通じて、少しでも多くの児童が受講できるように改善をしてまいりたいと、このように思っております。 ○議長(蛇口原司君) 千束諭君。 ◆20番(千束諭君) ただいま本当にありがたいご答弁をいただきました。そういうことで、ぜひ取り組んでいただきたい、このように要望するわけであります。 次に、産業戦略懇話会なるものの設置ということで質問させていただいたわけでありますけれども、まず、これはひとつ産業振興部長にお答えいただきたいのでありますけれども、まず、地域にはそれぞれ特色が当然あってしかるべきですし、ある意味では特色というものが売りになるわけですが、宮古の産業の特色は何ですかと尋ねられたとするならば、どのようにお答えになりますか。 ○議長(蛇口原司君) 細越産業振興部長。 ◎産業振興部長細越雅佐浩君) お答えいたします。 現在、私どもでは水産物ですか、これがまず基幹であろうと。それと若干いま心配をしておるんですが、ID関連した金型と申しますか、コネクタと申しますか、こういった技術の部分、こういうものもこの地域ではかなりの雇用を抱えておりまして、こういった部分が今の段階での特色と位置づけてよろしいのではないかと考えております。 ○議長(蛇口原司君) 千束諭君。 ◆20番(千束諭君) ありがとうございました。 水産と切り出したときには、なるほどなと、そうだろうなと思ったんでありますが、2つ目のこの金型ということになりますと、いわゆる工業でありますけれども、意外というか、私がたまたま意外に思ったのかどうかわかりませんが、これぐらい宮古の産業、特色というのが、ある意味では分散し、あるいは明確化されていない。ひところは、宮古は漁業と観光のまち、あるいは漁業と観光と物流のまち、こういうふうに言われておるわけでありますけれども、やはりこれからの地方の時代ということを考え合わせますときに、やはりそれぞれの、これもたびたび申し上げておるわけでありますけれども、どうしても、その地域には得意とする分野と不得意とする分野が当然あるわけであります。例えば、もしこれは例えがよくないんでありましょうけれども、例えば柔道でも大会があって、いま決勝戦だと、そういうふうにしますよね。そうすると、例えばいろいろ得意わざがあるわけでありますけれども、あえて不得意なわざで臨む人はほとんどいないと思うんですね、例えば跳腰が得意な人は跳腰、寝技が得意だと思う人は寝技にいくように仕掛けると思うのでありまして、つまりは、その得意技で、これから言ってみれば勝負というのは聞こえがよくないんでありますけれども、ある意味では地域間競争でありますから、打ち勝っていくためには、まずもって、その特色は何だろうと、あるいは考えなければ出てこないというのはちょっと残念なんでありますけれども、やはり宮古の特色を生かすということ、これはもう産業振興における大前提だろうと思うのであります。 そこで提案なんでありますけれども、実は過日、東京から日本生協連合会の方が宮古においでになりまして、そしてこの宮古の産業振興について市長さんにもお会いをしていただいて、いろいろ私ども協議をさせていただいたんでありますけれども、私が言う複合型産業というのを解説するならば、例えば東京あるいは関東圏から、その生協の会員さんたちは、きょうも傍聴席に多数おられますけれども、主婦の方々が多いわけであります。そういう主婦の方々を、まず宮古に呼んで、そしてもちろん観光地も見てもらいますし、それから漁業や農業や林業や、あるいは伝統文化や、あるいは食文化等々触れていただいて楽しんでいただいて、そしてその中にさんまの刺身のつくり方を教える、あるいはほやの天ぷらの揚げ方を教える、あるいはスキコンブのてんぷらのつくり方、食べ方を教える、そういうことを繰り返すことによって、宮古にこだわる人たちがどんどんふえてくるわけであります。言ってみればお客さんとして来るという部分においては観光でありましょうし、それから、あるいはいろんな体験をするという、これは言ってみれば、これこそ複合型産業でありますし、それから例えば生協を通じて、さんまの刺身のつくり方を教えたことによって、そのときになると宮古のさんまを各生協で販売する。そうすると食べ方を覚えた人は、真っ先に宮古のさんまを買い求めると思うのであります。それはまさしく言ってみれば物産といいますか、物産振興といいますか、そういったことでありまして、いわゆるこれからの産業というものは、持ちつ持たれつといいますか、お互いがそれぞれの持ち味を出し合うことによって、その総合力で宮古がこれから地域として振興していくか否かということになってくるわけであります。 そこで、例えば宮古は、サーモンランドという一つのサーモンランド宣言をしております。あるいはおもてなし交流宣言都市ですか、こういうことを宣言しておるわけです。せっかく宣言しているわけでありますから、宣言した以上は、それを生かさなきゃならないと思うんであります。例えば、宮古に来たら、もう宮古のどこの家にも、どこの職場にも事業所にも、どこのお店にも、例えばさけのぼり、こいのぼりじゃないです。サーモンランドですから、さけをモチーフしたこいのぼりみたいなのをつくって、それがどこの家でも飾ってある。もう宮古に入ったら、もうどこにもさけのぼりが立ててある。あるいは宮古の一つの宮古グッズといいますか、ジャンバーなり、あるいはTシャツなりつくって、そして言ってみれば、おでんせと、あるいはさけをモチーフした、そういった、おでんせと交流をモチーフした何かをつくって、そしてそれをジャンバーにするなり帽子にするなりすること。そうすると、宮古に入ると異様なまでにさけが、あるいはいろいろ目に入ってくる。あるいはまた、おでんせあるいはおおきに、こういうことが盛られておりますけれども、とにかく接客はすべてこの2つのあいさつをしてもらう。「またおでんせ」あるいは「どうもおおきに」と。こういったことを私たちが繰り返し行うことによって、いやあ、宮古というところは本当に変わったところだなと、この特色というのは変わらなきゃならないと思うんです。そういったことから、ぜひ宮古が特色、特性、優位性というものを生かして、そして何といいますか、宮古の総合力で、これから地域間競争に向かっていただきたい、こういう願望を込めて提案させていただいておるわけでありますが、市長に、この点についての答弁をいただきたいと思います。 ○議長(蛇口原司君) 熊坂市長。 ◎市長(熊坂義裕君) ただいま千束議員から、いろいろとご提案をいただきまして、大変私もありがたいと思っております。もてなし交流観光都市を1月に宣言いたしました。「おおきにとおでんせの心が生む交流」を基本コンセプトに、今いろいろと施策をやっているわけですけれども、今、議員がお話しされたように、やはり市民総ぐるみでお客さまをもてなすということが非常に大事だと思っております。その点に関しましては、宮古は正直申し上げまして、非常に人がいいところでありますけれども、若干その点はおくれていたのかもしれません。これから観光振興等を図っていく上で、やはり市民がそういう気持ちにならない限りは難しいと思います。すべての産業が私はそうだと思っております。大変厳しい時代になっていまして、何とか市民皆さんで努力をし合って、心を奮い立たせてやっていかなければならないというふうに思っております。そういう意味で、戦略会議と言えるものを、モノづくりネットワークを、その戦略会議のような位置づけで考えておりますが、モノづくりネットワークを改めて立ち上げるわけですが、それを核として、もう1回頑張って産業振興をやっていきたいと思っております。 ○議長(蛇口原司君) 千束諭君。 ◆20番(千束諭君) ありがとうございます。 そういうことで、本当に宮古には私、本当に再三申し上げるわけでありますけれども、いろんな資源があります。もちろん観光資源もあれば、農林漁業の資源もある。何回も言いますけれども、伝統文化、食文化、あるいは人のよさ、人情、これも大きな資源でありましょう。こういう資源を、いかに生かしていくか、その手法が残っているだけで、もう素材はそろっているわけですから、あとは本当に市民総ぐるみで取り組むならば、宮古の将来は私は絶対明るいものがある、そう信じて疑わないわけであります。どうぞ今後もいいお取り組みをいただきたい、かように思うわけであります。 次に、3点目の広域合併についての再質問になりますけれども、実は以前にも、この合併の問題につきまして私は関連で市長の見解をお尋ねしたときもあったわけでありますが、そのときは、まだ時期尚早である、あるいは機が熟していないんだと、こういう旨の答弁であったような記憶がございます。そしてまた、きょうの答弁は、非常にその答弁から見ると大きく前進しておりまして、言ってみれば積極的に取り組んでまいりたい。そのためには、あらゆる場で議論というものを積み重ねていくんだと、こういう決意ともとれるような答弁をいただいたわけであります。この市町村の合併問題については、私がここであえて言及するまでもないわけでありますけれども、しかし、これからの時代背景を見ますと、これはいやが上にも力を、何と言いますか、寄り合って、そして結束をすることによって、キャパを大きくすることによって、力を大きくせしめていくと、こういうことは、これはもう不可欠であります。 ただ、問題はその合併に至るプロセスと申しますか、例えば盛岡市と都南村の合併、あるいは北上市と江釣子村と和賀町との合併、あるいはこのたびの大船渡市と三陸町の合併、いずれにしましても、大船渡もこれは決まっておりまして、大船渡市そのままになるわけであります。そうすると、市とそれから町村の合併は、これは例外なく、その市の名称が継承されているようであります。しかし、埼玉では市と市の合併になると、折衷案が出てきて半分ずつ名前取ったり、そういう市の名称が変わるようでありますけれども、例え話が、ちょっと乱暴かもしれませんけれども、そういう意味では、宮古市とある町、ある村が、もし合併という話になりますと、これは私の推測ですけれども、宮古市ということの名称になるとすれば、当然、その町や村の方たちは、言ってみれば町の名前が変わる、言ってみれば、嫁さんに嫁げば、名字が変わってしまうわけであります。そういったことから言いますと、大変失礼な言い方かもしれませんけれども、ある意味では、嫁に行く、あるいは嫁にもらう、そういうような構図も出てくるのかな、そういったときに、よく機が熟す、熟さないという話になりますけれども、例えば、いま味覚の秋でありますから、例えばリンゴだとかブドウだとかナシだとか、そういったものは時が来ると熟すわけであります。これは自然に、この自然界の中で熟していくわけでありますけれども、しかし、合併ということの問題になりますと、これは春が来たって秋が来たって自然に熟すものじゃくて、これは人工的に、言ってみれば温度を上げるだとか、あるいは光を注ぐだとか、そういう人工的な仕掛けをしないと、これはいつになったって熟さないわけであります。そういった意味で、市長の答弁では、これから議論を積み重ねる、いわゆる熟す手だてをしようと、こういうことでありますけれども、しかし、そういった意味から、先ほど話は戻りますが、やはりこの際、宮古市がある意味では何といいますか、先陣を切ると申しますか、そういうことだろうと思うんです。 例えば今までの合併の例を見ますと、どこも同じような軌跡を残しているんですね。例えば町とか村は、やはり最後まで反対の姿勢を崩さないのであります。しかし、私は盛岡にも行ってきましたし、北上にも行ってきました。いろいろ聞いてきましたけれども、一番喜んでいるのは、その何といいますか、町とか村の皆さんが、今にしてみれば、あれだけ反対したのに、あれだけ抵抗したのに、いま都南村も村から市になったということで非常にいろんな意味で大きくメリットがあるんだと、こういう話でもありました。そういう意味では、どうか熊坂市長、先頭になって、しかし誤解を招いてはよくないので、私はここであえて申し上げておきますけれども、先ほども申し上げましたが、これがもう初めから合併ありきで進められるということになりますと、住民サイドから見れば、それは余りにも唐突に見えるわけです。現に大船渡市でも、昭和60年に始まったにもかかわらず、住民は何と言っているかといいますと、あるいは三陸町の皆さんもそうなんですが、余りにも急ぎ過ぎて議論する余地がなかった、機会がなかった、こう言っているんです。十数年もかけておきながら、やはり住民にはそう映ったんでありましょう。したがって、この合併をするしないは、最終的な結論、判断でありますから、やはりどんなもんだべと、なあどなもんだべと、そういう形で話し合いが広がっていって、醸造されて、そして結果として合併を見送った、あるいは合併に踏み切った、それは結果だと思うんです。そういった意味で、願わくば、そういう自然の形で話し合いが持たれるような環境を整えていただきたいなと、こういうふうに思うわけであります。 時間も時間ですので、そういったことで、私はもうきょうから、この合併ということを一つのテーマにしてもいいんじゃないかなと思うわけであります。そういう要望をして、この再質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(蛇口原司君) 次に、4番、中嶋榮君に質問を許します。 中嶋榮君。             〔4番 中嶋 榮君登壇〕(拍手) ◆4番(中嶋榮君) 私は、平成13年9月宮古市議会定例会において、質問通告に従って質問をいたします。 最初に、防災対策についてお伺いします。 防災の日の未明に、東京新宿の歌舞伎町で起きた雑居ビル火災は44人もの人命を奪う大惨事となり、その中に当市出身の男性も一人含まれていたことを知り、非常に残念に思っています。また、アメリカで9月11日に起きた同時多発テロ事件で、きょう現在まで行方不明者、死者を合わせると 6,500名以上の犠牲者が出たとの報道を聞き、はかり知れない怒りを感じているのは私一人ではないと思います。すべての被害者の皆様、愛する人を亡くされた方々、またそれらの方々のご家族、友人の皆様に深い哀悼の意を表します。 ともあれ、東京の雑居ビル大惨事では、亡くなった人のほとんどが病院に運ばれた時点で心肺停止の状態であったと報道されています。爆発音とともに火柱が上がり、熱気と猛煙が建物内に充満し、客や従業員は一酸化炭素中毒で折り重なるように倒れて亡くなったと言われます。逃げ場のない狭い室内に閉じ込められ、命を奪われた方々の無念さ、ご遺族の深い悲しみを思うと言葉もありません。出火原因はガス漏れ、放火の可能性もあると見て、両面で捜査が行われているが、44人という多数の犠牲者が出た要因としては、雑居ビルの構造の問題とともに、防災上の管理の不備とずさんさが指摘されています。また、このビルは、ペンシルビルと言われ、細長く、階段にはロッカーが置いてあり、消防活動の障害にもなり、また煙に反応して自動的に閉まる防火戸が設置されていたが、作動しなかったことも明らかになっています。消防法では従業員と客を含め、常時10人以上が出入りするフロアでは、2階以上にははしごなど避難器具の設置が義務づけられているが、2階と3階には避難器具もなかった。こうして見ると、今回の大惨事は起こるべくして起こったとも言えます。当市には、雑居ビルは少ないが、集合住宅や集合的飲食家屋が多くあります。火災や地震から大惨事を未然に防ぐためにも次のことをお伺いします。 1点目は、消防法上から調査し、法的な規制や行政の対応に不備はないか、また洗い直しを行う必要はないか。2点目は、建物の構造や設備などのハード面と、立ち入り検査や避難誘導、防災訓練など、ソフト面の両面にわたり総合的な防災対策が不可欠と思うが、この点についてお伺いします。 次に、教育機関の安全管理体制についてお伺いします。 去る6月8日、午前10時10分ごろ、大阪府池田市緑丘の大阪教育大学附属池田小学校に刃物を持った男が乱入し、教室にいた児童らを次々と刺し、男児1人、女児7人が死亡、男性教師を含む6人が重傷、9人が軽傷を負うという事件が発生し、今なお強い衝撃と悲しみをもたらしています。安全であるべき学校で発生したこのような悲惨な事件を二度と起こしてはならないということから、次の3点についてお伺いします。 1点目は、宮古市の小・中学校や幼稚園、保育所の安全管理はどのようになっているのか、お伺いします。2点目は、警備体制は実際どのように行われているのか、お伺いします。今回、池田小学校の事件では、門にかぎがかかっていなかったこと、警備員が配置されていなかったことが問われています。警察庁によりますと、幼稚園や小学校、中学校、高校、大学などへの侵入事件は、1990年に 778件だったが、2000年には 1,355件と激増をしていると言われています。文部科学省は6月11日、国公立すべての幼稚園、小学校、中学校、養護学校などに不審者の校内侵入防止策を早急に講ずるよう求める文書が通知されたと聞いています。3点目は、文部科学省通知をどのように反映したのか、お伺いいたします。 次に、医療費の抑制策についてお伺いします。 先月決定した来年度の概算要求基準で、厚生労働省が要求した社会保障関係費は、高齢化の進展などにより1兆円程度となる自然増加分が約 7,000億円の加算にとどまり、このため医療制度改革は 3,000億円の差額を効率化や節減などによって穴埋めすることを前提に、青写真を設計しなければならなくなるものと思われます。改革は次世代に通用する改革でなくてはならないと認識する一人でありますが、このため厚生労働省は情報公開や予防医学の推進なども幅広く検討するとしているが、焦点の1つは、老人医療費の見直しに着目しているからです。国民医療費は、毎年ほぼ1兆円のペースでふえており、1999年は30兆 9,000億と初の30兆円の大台に達し、国民所得に対する割合も初めて8%を超しました。この約3分の1に当たる11兆 8,000億円を老人医療費が占めているからです。低迷する国民所得の伸びとは裏腹に、国民医療費、特に老人医療費が右肩上がりを続けているわけです。 このことについて厚生労働省の推計によれば、2025年の国民医療費は81兆円と国民所得の12.5%に膨らみ、老人医療費は45兆円と国民医療費の56%に上ると予測しております。財源の確保が困難になり、財政的に立ち行かなくなるおそれが出てくると懸念されています。現在、65歳以上の寝たきりの人などを含む70歳以上の高齢者を対象にした制度として、市町村が主体となって医療サービスを提供する老人保健制度は、患者負担を原則1割負担と現役世代よりも低く押さえ、残りの医療費は3割を国と地方自治体で、7割を健康保険組合、政府管掌健康保険共済組合などからの拠出金で賄っているが、その拠出金を出している各保険組合では、加入者の賃金が伸び悩みで保険料収入が低迷していることもあって、財政事情は非常に厳しいものがあると言われています。例えば毎年赤字が続いている中小企業の従業員が加入している政管健保は2002年に積立金が枯渇し、医療費の支払いに支障が出る危険性があると指摘されています。また、大企業の従業員が加入する健康保険組合では、年間 2,000億円の赤字、さらに自営業者などの加入が多い国民健康保険でも市町村の一般会計から補てんがなければ、年間 3,000億円程度の赤字になるようです。このため、当面の保険料率や給付サービスの見直しとともに、医療保険制度自体のあり方も問われ、医療制度の改革論議は待ったなしで本格化し、社会保障関係費の自然増加分が現実に圧縮されているが、当市においては、どのような形で医療費膨張を押さえ制度の安定を目指していくのか、また、当市における医療費と老人医療費はどのように推移していくのか、一人当たりの老人医療費の推移はどのようになるのか、あわせてお伺いします。 平成12年度の高齢者医療費は約11兆円になり、国民医療費全体の38%を占めています。このような現状の中に医療費が減少している自治体があります。国民健康保険中央会は、温泉療養が市町村の医療費抑制に効果があるとの調査報告をまとめています。その中で、増大する高齢者医療費の抑制策の1つとして、温泉の活用に着目したもので、少しでも多くの市町村で温泉を有効に活用した健康づくりの取り組みが必要だと提言をしています。国保中央会は、昨年2月に全市町村を対象に調査した結果、94年以前から温泉がある 175市町村のうち94年から97年にかけて、高齢者一人当たりの医療費が減っている市町村が66カ所あり、そのうち最も医療費が減少したのは長野県御牧村で17.4%、次いで青森県新郷村で 9.6%、次に北海道北広島市の 8.4%の抑制効果があったと報告をされております。 このようなとき、当市においては広域総合交流促進施設と宮古型タラソテラピー施設計画が着々と進みつつあるようですが、時宜を得た計画と思っているのは私一人ではないと思います。出崎地区開発計画は、全体で42億とされ、今回、計画中の広域総合交流促進施設とタラソテラピー施設の合築計画に22億が投入されるようですが、日本経済の落ち込みは厳しく、当市の経済にも非常な打撃を与え、企業倒産、リストラ、就職難と観光客の入り込み減と、景気のいい声は一つも聞こえないときに、この計画は当市に活力を与えるかのように聞こえます。 タラソの定義は種々ありますが、バドロンのものが適当であるとされております。それは海洋環境の中で予防と治療の観点から、海の資源の恩恵を最大限利用して行われ、海洋性気候、海水、海草、海泥、海砂など、厳密な管理及び医学的監視下に利用する療法とされています。要するに広い意味での海の環境や新鮮な水産海洋資源を人の健康のために利用するシステム的な自然療法であるということです。日本においては、鳥羽市のタラサ志摩が92年に誕生し、これはアジア太平洋岸で第1号のタラソであり、海洋深層水を利用した施設としては世界初とされています。95年当時は、タラソの施設としては世界に少なくとも 110カ所以上あるとされ、現在、日本、フランスを初め、世界的に広がりを見せているのが現状であります。施設で行われる処置は、あらかじめ医師の問診によりメニューが決められているようですが、健康保険の適用は国によって異なるところもあるようです。タラソの適応症とは慢性の難病、リューマチ、関節炎、皮膚病、ストレスなど広範囲であると言われます。タラソの効果は生体に対する作用によるとされ、物理的作用としては、温熱、浮力、水圧、風力光線、波動、空間の広がりなどが循環器系器官、呼吸、代謝、皮膚、精神などに好影響を与え、リハビリにも好適であるとされております。また、科学的作用については、微量元素、フィトンチッド、エーロゾル、マイナスイオン、湿気、生理活性物質などが経口、経皮膜で作用し、生体機能の回復調整を行うとされ、新鮮な自然機能食品は体内の酵素作用を活性化し、老化防止、疲労回復、免疫力増強に役立つことが知られています。また、転地効果については、気候、気象、美的景観、自然美、波動などによる気分転換、アンチストレス効果や食欲増進、睡眠に有効とされます。 このようにタラソテラピーは温泉療法と共通する点が多く、違うところは塩分と微量元素が違うだけで、あとはほとんど共通します。塩分の差は浮力となってあらわれ、その浮力の差はリハビリにおいて非常に効力のある差となり、体重を軽減し、運動効果を上げる要因となります。 昨年、1月末に、チュニジアのアマメ海岸、タラソホテルにおいて、第21回国際海洋療法学会が開催され、我が国からも発表がありました。特にタラソが免疫力を増す効果を持つという報告が各国の注目を浴びたようであります。参加国と団体数はフランス22、チュニジア12、ドイツ12、ロシア5、日本4、スロバキア4、イスラエル3、スペイン3、ポルトガル2、ブルガリア2、アラブ連合2、イラン、オランダ、ルーマニア、ベルギー、トルコ、ハンガリー各1団体であったようです。したがって、宮古型タラソテラピー施設計画が実現することにより、観光集客、健康増進、リハビリ、船舶従事者の保養、若年層のストレス解消、予防、改善、レジャー、休養、美容、交流はもちろんのこと、市街地活性化の起爆剤の要因となることは間違いないと思います。先にも述べましたが、温泉を利用し、医療費が 2.1%から17.4%も低下した市町村があるように、タラソテラピー海洋療法施設を建設することにより、医療費の抑制効果は必ず出てくると確信しますが、市当局の考えをお伺いします。 なお、進捗状況については、議員全員協議会で説明を受けましたので、答弁はよしとします。 以上、壇上からの質問を終わり、なお、再質問は自席よりさせていただきます。(拍手) ○議長(蛇口原司君) 西野総務企画部長。             〔総務企画部長 西野祐司君登壇〕 ◎総務企画部長(西野祐司君) 防災対策についての質問にお答えいたします。 新宿区歌舞伎町のいわゆる雑居ビルに発生した火災により44名の死者と3名の負傷者を出したことは、まことに痛ましい災害として報道されました。この火災においては、火災が急速に拡大したこと、避難口が1方向しかなく逃げ場を失ったことが大惨事を招く結果となりました。法の規制や行政の対応は、建築物の構造、設備に関しては、建築基準法の規定に適合したものに許可を与えることになります。また、消防設備や防火管理は消防法によって規制されますが、違法な構造変更や利用者の安全を損なう状況になっていないか、毎年2回行われる建築物防災週間に合わせ、関係機関合同のパトロールを実施し、さらに違反建築物防止週間の消防の立入検査を通じて不備な事項の改善を指導しているところであり、今後さらに関係機関との調整の上、小規模建築物に対しても対象を広め、指導していく考えでいます。 次に、防火管理のあり方について申し上げます。 収容人員30人以上の事業所にあっては、防火管理者を選任し、自営消防組織や消防計画をつくり、定期的に訓練を行うなど防火管理に努めることになっています。30人に満たない事業所にあっても、防火管理は利用者の安全確保の上からも最優先すべきものであり、特に防火戸の周辺や階段に物品を放置するなどの事態には厳格に対処することが求められますが、歌舞伎町火災の後に行った特別査察においては、26棟のうち5棟に同様の状況が確認されています。査察の指摘事項は、今後、関係機関とも連携し、早急な改善を図るよう建築物の管理者を指導してまいります。また、総務省、消防庁は、小規模雑居ビル火災緊急対策検討委員会を設置し、火災防止のための検討を行うことになっているので、これらの動向を見ながら対応に万全を期してまいります。 以上、答弁といたします。 ○議長(蛇口原司君) 中屋教育長。             〔教育長 中屋定基君登壇〕 ◎教育長(中屋定基君) 教育機関の安全管理体制についてお答えします。 先般の大阪教育大学附属池田小学校において不幸な事件が発生し、文部科学大臣談話、それに続いて安全確保及び安全管理に関する緊急の通知が出されれました。当市におきましても緊急に市内小・中学校の状況について調査を実施いたしました。 その結果、問題点として職員室が2階にあるという校舎の構造上の問題や、学校の敷地が地域の生活道路になっており、だれもが自由に出入りできることから、侵入者を十分に把握できないという問題がございます。これらの問題に対処するため、文部科学省の通知を確認し、特に教職員の意識改革や校内体制の再確認を重点として、各学校での取り組みを実施しております。 具体的には次の8点について改善を図っております。 1、教職員による巡視活動の強化。2、児童・生徒の学習時間帯を考慮して、不必要な出入り口の施錠。3、出入り口表示を明確にし、訪問者の流れを一方向とすること。4、インターホン設置校での有効活用。5、子供 110番の家などの緊急時の連絡体制の確立。6、保護者、学校利用団体、民生委員等の関係団体との連携。7、施設整備の点検。8、警察官によるパトロールの実施などに取り組んでおります。 今後ともに学校と地域が緊密に連携を図り、地域の学校としての位置づけを一層明確にしながら、関係機関と協力する中で、児童・生徒の安全確保に努めるとともに、幼稚園につきましては、その安全確保がさらに万全を期すよう申し入れをしてまいります。 また、市内小・中学校に係る夜間及び休日等における警備につきましては、警備会社に委託し、一般通信回線を使用した遠方監視装置による機械警備と週1回の巡回警備を行っております。主な業務は、火災、盗難及び不良行為の早期発見及びその拡大防止と異常事態発生時における関係機関への通報などです。日中の警備体制につきましては、校門、フェンス、かぎ等の点検整備を行うとともに、教職員による校内巡回の実施強化を図っております。今後の施設整備につきましては、職員室が2階にある小学校3校を優先的に整備を進めてまいりたいと考えております。 以上、答弁といたします。 ○議長(蛇口原司君) 鈴木生活福祉部長。             〔生活福祉部長 鈴木健市君登壇〕 ◎生活福祉部長(鈴木健市君) 私からは、保育所の安全管理についてお答えいたします。 保育所の安全管理につきましては、日ごろから定例の保育所長会議等を通じて職員の協力体制や施設の管理体制の整備、警察等、関係機関との連携等の確保及び児童の安全確保について周知徹底を図っております。日常の安全確保につきましては、職員会議で取り上げるなど職員の共通理解を図り、門、窓、非常口等の施錠の日常点検を励行するとともに、来訪者の出入りを常に確認し、万一の場合の避難場所の確保や通信機器の連絡方法を職員に周知しております。また、地域に開かれた児童福祉施設づくりを推進する観点から、保護者との連携を密にし、地域のボランティア関係団体等の協力を得ながら、地域と一体となった児童の安全確保にも努めております。緊急時の安全確保につきましては、不審者情報のある場合には、警察に対しパトロールを要請するなど連携を図り、また不審者の侵入などの場合には、直ちに施設長や職員に通報するとともに、児童を避難場所へ誘導するなどの体制を整えております。 今後とも管内の保育所等の入所児童の安全確保について、保育所、警察、児童相談所及び保健所等の関係機関との連携協力を得るための連絡体制や支援体制の整備を図ってまいりたいと考えております。 次に、医療費の抑制策についてのご質問にお答えいたします。 国民医療費の増大は、経済の低迷による保険料収入の伸びと相まって、医療保険財政に大きな影響を与え、どの医療保険も財政運営が厳しい状況になっております。特にも急激な高齢化の進展の中で、老人医療費が急増しており、近年、8%前後の伸びで推移し、国民医療費の3分の1を占めるまでになり、国民医療費の伸びの最大の要因となっております。 お尋ねの宮古市の国民健康保険の医療費につきましては、年々増加の一途をたどっており、平成8年度に73億 7,300万円であったものが、平成12年度には79億 1,400万円と、5億 4,100万円、 7.3%の増加となっております。老人医療費について申し上げますと、平成8年度に36億 600万円だったものが、平成12年度には40億1,700 万円と4億 1,100万円、11.3%の増加となっております。医療費全体に占める老人医療費の割合は、平成12年度は50.8%となっており年々増加をし続けております。また、被保険者一人当たりの老人医療費につきましては、平成8年度は74万 2,000円であり、年々増加を続けておりましたが、平成12年度は65万 4,000円と8万 8,000円、11.8%の減少となっております。これは介護保険制度の導入による一時的な現象であり、今後、老人医療費は引き続き増加するものと考えられます。国では、平成14年度の医療保険制度改革の実施に向けた検討が進められ、昨日、厚生労働省改革試案が発表されたところでございます。 当市といたしましても、今後、医療保険制度の改革案を注視しながら、医療費の抑制策として健康教室や健康相談、ウォーキングの普及推進、母子・成人の保健事業、高齢者の健康づくりなど、生活習慣病の予防事業を展開するとともに、疾病や要介護となることを防止するため、従来にも増した保健事業を積極的に推進してまいりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。 次に、タラソテラピー施設に係る医療費の抑制策についてお答えいたします。 タラソテラピー施設は、海水の持つ基本特性の浮力、抵抗、水圧、水温などを利用することにより、健康増進はもちろんのこと、生活習慣病の予防に効果があるとされることから、利用者につきましては、医療費抑制に十分に期待できるものと考えております。 以上、答弁といたします。 ○議長(蛇口原司君) 中嶋榮君。 ◆4番(中嶋榮君) それぞれのご答弁ありがとうございました。まず、自席より再質問をさせていただきます。 最初に、防災対策についてでございますが、いま西野部長の方から特別査察26カ所を行ったというご報告を受けたわけですが、その他にも、アパートとか、そういうものもたくさんあるし、雑居家屋、それから病院とか施設とか、老健施設とか、学校又はそういうところを緊急査察することも必要ではないかなと。その際、やっぱりそういう施設に対しては、通路とか非常階段、テナントの避難経路又は防火戸があるかどうか、窓、避難器具があるか、消火器、警報装置、そういう点検を緻密にやっていただきたいと思います。この点については、答弁はよろしいです。 それから、2つ目の教育機関の安全管理体制について質問をさせていただきます。 いま教育長の方からご答弁をいただいたわけですが、次代を担う生徒たちが、このような悲惨な事故、事件に遭ったわけです。本当に悲しい思いをしておるわけですが、二度とこのようなことを繰り返さないためにも、学校安全協議会の設置、これらを進めまして、いろいろな施設の整備とか、そういうものを万全にして、このような事件がないようにひとつお願いをいたしたいと思います。 それから、学校の安全管理に関する平成14年度の概算要求というのが出ておるわけでございますが、この点については、公立学校に対しては、教室や、職員等の再配置、門とかフェンスの設置について、大規模な改造事業、これらをメニュー化した予算がついておるわけでございます。これらの予算だけでは足りない面が相当あると思われます。その学校、学校によっても条件が違いますし、それらをきちっと掌握した上で事故のないようにお願いをしたいと思います。 次に、医療費の抑制策についてでありますが、いま鈴木部長の方からご答弁をいただきました。いろいろ施策の方でも苦労しておるわけでございますが、まとめてみますと、宮古市の国民健康保険の医療費も、平成8年に73億 7,300万、平成12年には79億 1,400万と、5億 4,100万円、 7.3%の増加をしている。それから老人医療費も平成8年には36億 600万円であったのが、平成12年には40億 1,700万と11.3%ですか、これぐらいはね上がっているわけです。医療費全体に占める老人医療費は、平成12年度は50.8%と年々増加を続けていると。また、一人の老人医療費も平成8年は74万 2,000円であったのが、平成12年は介護保険の適用もございまして65万 4,000円と、こういうふうになっているわけですが、今後もこの医療費の増加は、先ほどのご答弁のとおり右肩上がりで推移していくのではないかなと、私はそのように心得ております。 そのほかに、当市の医療費の抑制策としては、健康教室又は健康相談室、ウォーキングの普及推進、母子・成人の保健事業、高齢者の健康づくり事業、生活習慣病の予防事業等々をやって、医療費の抑制に努めておるわけですが、これにタラソテラピー、海洋療法が加わると、一段と宮古市民の健康増進につながることはもちろんであるし、医療費の抑制に貢献できるものと、そのように思うからであります。 このバドロンのタラソによる生体効果、このようにまとめております。こんな効果があるんだと。1つとしては、基礎代謝にかかわる甲状腺とか副甲状腺機能が10%から15%上昇すると。それから2つ目は心筋機能の改善、それから血液循環がよくなっていく。3つ目に、ミネラルのバランスがよくなって、赤血球数が10%増加していく。4つ目に、筋肉の改善によるクロナキシー--これは時値ですね--の減少が見られる。それから5つ目に、利尿促進とか又は老廃物の排出増加がある。6つ目に、皮膚、毛、爪、歯などの更新賦活がある。7点目に呼吸機能の改善、肺胞とか毛細血管のガス交換がよくなると、このように述べておるわけです。このことからかんがみても、医療費の抑制効果には十分に海洋療法というのはつながっていくと、そういうふうに思うわけでございます。 それから、コマーシャルではございませんけれども、こういうふうにして効果があるという点ですね、最後に1点か2点、質問をさせていただきますが、必須微量元素、海水のほとんど99%が主量元素で占められている。それから微量元素は高々1%未満と、そういうふうに認識しておりますけれども、この必須微量元素が不足すると、生体は正常に機能しなくなると、そういうふうに言われております。必須多量元素については、自然塩が体には非常にいいと、そういうことがどういう結果からも、論文からも出ておりますが、皮膚における保温効果とか保湿作用があるということは、よく知られていることですが、このことに合わせて、この微量元素というのが表層水よりも深度が増すに連れて、深くなればなるほど、この微量元素というのは増加していく傾向にある、そういう結果が出ておるわけです。したがって、16種類の必須微量元素中、クロムとかマンガン、鉄、ニッケル、シリカ、銅、亜鉛、砒素、セレン、この9種類が表層水よりも深層水に多いことがわかっておるわけです。この微量元素、多ければ人に害になりますが、微量であれば薬になると。毒も薬になるということですね。そういうふうな結果が出ております。そういうことから、タラソ施設を充実させて、他市町村より反映をさせて経営を維持させていくためにも、これらの要素がポイントとなってくると、私はそのように思うわけであります。 海水を取水する場所でございますが、これは宿漁港が有力だとされておったわけですが、多くの雨が降ったりしますと濁流となって海が濁ってくるし、また雑排水等、こういうものが影響してくるわけなんです。それゆえに、そういうことであっては、せっかく健康増進施設としてつくったのが健康増進ではなくなるなというふうに思います。そのことを踏まえて、人というのは……ここに医者を前にして、こういうことは甚だ失礼とは思いますが、人は羊水の中ではぐくまれると、成長すると。その羊水と血液は同様に大切なメディウムであるということはそのとおりなんです。そのメディウムに海水は似ていると、そう言われています。したがって、海水は生命にとって重要であります。海洋の汚染が進行している現在、O-157ビブリオ小型球形ウィルス、環境ホルモンのない新鮮で正常な自然海水として深層水は貴重であり、少なくともタラソにとっては魅力ある存在だと、私はそのように思うからであります。これをどのように市長さんはお考えになっているのか、ご答弁ください。 ○議長(蛇口原司君) 熊坂市長。 ◎市長(熊坂義裕君) 久しぶりに学生に戻りまして、医学部の講義を受けているような錯覚にとらわれました。ただいま中嶋議員から、いろいろとタラソ等に関しまして、研究者等の報告等をいただきまして、本当にありがたく拝聴いたしました。 当市が現在、建設を進めておりますタラソテラピー施設でございますけれども、私もこれは健康増進に必ず役立つと確信をしております。温泉がない当市でございますので、この海洋療法施設ができましたならば、市民の健康増進に、いま議員がいろいろとお話をされたとおり効果があるものと思っております。実は、9月8日、青森県の市浦村のタラソテラピーを経験してまいりました。副院長と一緒に行ったわけでございますが、私も実際、体験いたしまして、これは必ず市民に歓迎される施設だなということを確信をしたわけでございます。そのとき一緒に入っていた商工会の会長さんがおりまして、市浦村は 3,000人ちょっとの村なんですけれども、六百数十人が既に会員になっていると。50歳以上の方が7割弱であるということでした。おおむね8割ぐらいの方が非常にいいという評価であったわけなんですけれども、帰り際、話す中で、宮古市は市であると。また、観光客も非常に多いと聞いておると。そういう中で、むしろ市浦村でも入場制限をしていることがあるということでしたので、そちらの方をどういうふうに施設をたくさんの人に楽しんでもらうかを、むしろ考えた方が、混んだときにどうするかということを考えた方がいいよというようなことも言われてまいりました。私も経験して、なるほどなというふうに思ってまいりました。 それから、海洋深層水についてですけれども、これは取る場所によって、富山県の滑川では、海洋深層水を売りにしているわけですけれども、当市の場合は、そこまではまだ考えておりませんが、取る場所によって、海洋深層水というのは可能だと思っております。また、海洋深層水全部使わなくても、限りなくそれに近いというものは十分にできると思いますので、取り水の場所ですけれども、宿漁港と決まったわけではまだありませんので、これから取り水の場所につきましても考えていきたいと思っております。温泉があるところで医療費が抑制されたというふうな貴重なお話をいただきましたけれども、これから医療費が増大する中で、このタラソテラピー、ましてや先ほどの質問で姉ヶ崎サンスポーツランドがちょっといっぱいだということもありますし、このタラソの中には20mのプールもできますので、子供たちにとりましても、非常にそういう意味では期待できる、あるいは第2の姉ヶ崎サンスポーツランドというようなことも考えられると思いますので、これ非常に私は今の段階で計画実施していくことは、市民の健康増進あるいは学校教育の面からもプラスであると思っております。 あと、ご質問いただきました医学的なコメントに関しましては、私はちょっと知識がありませんので、ちょっと答えられません。 ○議長(蛇口原司君) 中嶋榮君。 ◆4番(中嶋榮君) 大変ありがとうございます。力強いお答えだと、そういうふうに感じております。 あと2点ほど、明快に質問をいたします。 まず、タラソの施設なんですが、現在、環境問題がいろいろ言われております。そんな中で、環境に優しい自然エネルギーをお使いになったらいかがかと、まずこの点について。 それから2点目は、あそこは津波とか、そういうそれに対する防波堤とか、そういうふうな施設がないわけですので、それに配慮した、例えば津波が来て機械施設が全部つかってしまったと、津波が来るまでには相当な時間経過はございますが、多分そこに施設を利用している方々は、5分か10分くらいで逃げられる、そういう距離にあるわけですけれども、それもあわせて避難経路とか、そういうものをご検討し、また構造的にも機械をどうするとか、そういう面も工夫をなされた方がよろしいのではないかなと、その2点についてお伺いします。 ○議長(蛇口原司君) 土澤地域振興室長。 ◎地域振興室長(土澤永喜君) お答えをいたします。 全員協議会でもご説明を申し上げましたように、建物、施設等につきましては、環境ということを基本コンセプトにして、省エネとかということに対応するものとして検討していくということを明らかにしておりまして、特にタラソテラピーにつきましては、熱源を何に求めるか、いわば従来型の化石燃料に求めるか、新たな例えばの例でございますが、木質バイオマスといったようなものに求めていくか、そういったことはただいま検討中でございます。 それから、津波対策についてでございますが、これも全員協議会の席上で、中野議員からもご提案がありました。ただいまご提案ありましたように、設計の段階でできるだけ津波があった場合でも被害を最小限に食いとめることができるような施設として追求してまいりたいと、こういうふうに思います。 以上、答弁いたします。 ○議長(蛇口原司君) 中嶋榮君。 ◆4番(中嶋榮君) 大変明快なご答弁ありがとうございます。まず、このタラソテラピー施設、又は交流促進施設あわせて一般財源等の持ち込みがないような、このような健全たる経営をやっていただきたいと。そのために我々議員もサイドから努力をいたしてまいるわけでございます。 これで私の再質問を終わります。 ○議長(蛇口原司君) 暫時休憩いたします。             午後2時40分 休憩             午後2時55分 再開 ○議長(蛇口原司君) 休憩前に引き続きまして会議を開きます。 23番、田中尚君に質問を許します。 田中尚君。             〔23番 田中 尚君登壇〕(拍手) ◆23番(田中尚君) 日本経済は、戦後初のデフレーションを経験する中で、完全失業率が5%を突破するなど、消費不況は今や小泉不況とも言われております。国と地方とで 666兆円にも達する巨額な債務残高は、財政危機を深刻化させ、一連の社会保障制度の改悪に伴う消費者心理の冷え込みなどと結合して、経済不況という長いトンネルから抜け出す方向すら政府は見出せないでいるように思われてなりません。さきの参院選挙でお題目のように唱えられた構造改革は、国民には痛みと貧富の差のさらなる拡大をもたらすものになることは、その後の経済情勢と日々の生活体験を通して国民の自覚になりつつあります。経済格差をあらわす指標としては、ジニ係数というのがあり、ゼロから1までの数値が使われております。1は全く不平等な社会、ゼロというのはその対局の平等な社会ということをあらわすもので、日本は80年代初頭に0.34だったのが最近の指標では0.44と、アメリカの 0.4を超え、先進諸国の中では一番高い、つまり貧富の差が一層拡大した国ということになっております。こうした変化をつくり出した原因としては、この間、所得税などの直接税中心から消費税に国の税制の中心を移してきたやり方を指摘することができるわけであります。税制がどのようなものになるかは、行政サービスの内容にも影響する問題であります。地方交付税の財源にもなる所得税と法人税は、この10年間で13兆 8,000億円、実に3割以上も減っておりますが、この要因は不況によるものが半分で、残り半分が大企業など、大金持ちを中心とした減税結果だと言われております。一方、消費税は不況下でも税収を伸ばし、法人税収を抜いて所得税収に次ぐ地位を占めております。 こうした中で地方分権の受け皿としての大義を装いながら、市町村合併が国の大号令によって組織されておりますが、このねらいが地方交付税の削減にあることは関係者の発言からも明らかであります。住民サービスを直接担う市町村がその運営に当たり、堅持すべき視点として必要な内容を一言で言いあらわすとすれば、私は憲法を暮らしに生かすということになるのではないかと考えております。我々議会を構成する議員や市長を住民の選挙によって選び出し、市政運営をゆだねる今日の地方自治体のあり方は憲法に明記され、地方自治体の運営基準は地方自治法にさらに詳しく明記されていることでもあります。地方自治法では、市町村の固有事務を具体的に定め、住民生活の安全と向上を図ることを、その目的としております。 ところが現実はどうでしょうか。各地で敬老会が開催されたところでありますが、長生きしていて肩身が狭いなどの思いを抱かれる高齢者の方々が年々ふえているのが実態ではないでしょうか。これは大規模開発など、むだな公共事業に偏重した税金の使い方に象徴されるように、逆立ちした財政支出から生じている矛盾でもあります。今の日本の消費不況を地方政治から改善していくことに役立つ政策の具体化やその充実こそが求められていると考えますが、実現化すべき政策の優先順位と事務事業全般にわたる市の今日までに実施されてまいりました行政の評価について、その基準と内容についてお伺いをいたします。 2つ目に、タラソテラピー施設についてであります。 熊坂市長が政治生命をかけて実現させようとしているタラソテラピー施設についての質問であります。この問題については、もう決まったことだと質問内容を問題視する声がこれまでも一部にないわけではありませんが、何があっても、あるいはだれが反対しようと決断したとおり計画を推進するという意味で言うのであれば、なるほどそうかもしれませんが、そもそも市の開発計画にもなかったものがタラソ施設を経営する企業の売り込み情報と市長の思い込みによる決断から事業の具体化が図られたという過去の経緯に照らせば、的外れな指摘と言わざるを得ないのであります。開発計画との関連で言えば、過日の議員全員協議会で前期計画の事業の進捗率は、着手したものを含めてすら70%台であり、緊急性や必要性が十分なものであっても、財政難を理由に先送りをしてきたばかりか、継続事業であっても予算が削減され、それを理由に市民には固定資産税を標準税率に引き下げることも実施されずに今日に至っている現実を直視せざるを得ないからであります。 こうした状況下で、タラソ施設の事業化を最優先させるには、よほどの必要性と緊急性がこの施設整備の理由として存在し、多くの市民の納得を得ることが前提条件になることが当然であり、住民の代表機関である議会がこうした点などでも十分な論議と解明をすることが当然求められていると思うからであります。 初めに、タラソ施設の整備ありきで既成事実を積み上げ、それを合理化しようとする手法は、市長など組織のトップに求められるリーダーシップとは無縁であるばかりか、住民とのパートナーシップを形骸化させるものになりかねないことを指摘せざるを得ないのであります。 そこで、この施設の整備に当たり、市からこれまでも言われてきた必要性などに触れながら質問項目にあります幾つかの点について質問いたします。 まず、必要性についてであります。市長は、交流施設だけでは集客効果が得られないとの理由で、宮古市の地理的条件とも言うべき海を素材にしたタラソテラピーなる多目的なプール施設を併設することで、市の観光が通過型から滞在型に変化を遂げ、地元の食材の消費拡大や宿泊客の増加などで産業振興が期待できると過去に述べております。また、それにとどまらず、レジャー施設でありながら、利用により健康増進効果も期待でき、観光拠点の創出にもつながるなど、その必要性が強調されております。市長の独断とも言うべき強引な政策決定が仮に合理化されるとするならば、以上の施設整備の必要性が正しいものとして客観的に確認されることが最低でも必要な条件になることは言うまでもありません。一つの建物に交流施設とタラソ施設を22億円もかけて整備することが、観光拠点施設として観光客をたくさん招き入れ、本当に地域の活性化になるかどうかは予測の範囲内での議論になりますが、各市の経験などの情報収集をもとに冷静な検討を加えれば、答えはおのずと明らかであります。道路交通網や周辺都市の人口数などに恵まれた地理的条件に加え、世界唯一の海洋深層水が体験できる富山県の滑川市の例でも、利用者全員を仮に観光客としても、年間7万人前後でしかなく、タラソ施設が観光客の増加を生じさせたとはとても言えない状況であります。温泉地のにぎわいに比べ、人工的な温浴施設は都市に集中して整備されており、観光客の需要を喚起する施設にはならないからであります。 参考までに交流施設の多くは道の駅としての機能を果たしながら、国道沿いの休憩施設として通過交通車両数が多いほど、それに比例して成功している事例から判断すれば、整理場所を出崎地区に選定したことに伴う不利な立地条件はタラソ施設などに金をかければ解決するほど単純ではありません。このことを施設の利用者、すなわち顧客対象が一般の観光客なのか、生活圏内の住民なのかによって、交流促進施設の整備計画は大きな影響を受けることを意味します。仮に青森県市浦村のタラソ施設のように、その村の住人の利用が大半だとすれば、交流促進施設の利用には余り多くは望めないことになり、ひいては市が意図した相乗効果も期待できないことになるからであります。 以上のような本質的な問題点を念頭に置きながら、現在行われております調査結果も含めて、合築方式による建物の建築場所が埋め立て地であることで予想される懸念材料をどう理解しているのか。また、交流促進施設とタラソ施設が相まって観光拠点施設として相乗効果が期待できるとも言われておりますが、その根拠と参考事例があれば、それについてもお答えをお聞かせいただきたいと思います。 また、同施設は健康増進施設とも言われておりますが、利用者が健康増進を実感できる利用モデルと、その際の利用料は幾らが予想されるのか、あわせてお聞かせを願います。市の開発計画に先行して公設民営方式で昨年の11月から実際に施設を運営しております青森県市浦村の事例からも、市が参考とすべき教訓と問題点をどう把握しているのか、最後にお伺いいたしまして、壇上からの質問を終わらせていただきます。(拍手) ○議長(蛇口原司君) 西野総務企画部長。             〔総務企画部長 西野祐司君登壇〕 ◎総務企画部長(西野祐司君) 行財政問題についてのご質問にお答えいたします。 地方分権時代においては、地域の視点に立って、みずからが考え、みずからが行う政策を推進すべきものと認識し、広域的な連携を含めて、施設の展開を図ることが大切であると考えております。これまで公平かつ公正で市民にわかりやすい市政の実現を初め、市政運営の基本として4つの政策を掲げ、沿岸一強く優しいまちづくりを目標に進めてまいりましたが、この考え方は、今後も不変のものとして継続し、当市の利点を生かした地方分権の時代にふさわしい個性のあるまちづくりを主体として積極的に施策を展開してまいります。時代の変遷の中で構築すべき政策の具現化に当たっては、通常の場合、各部において事業の優先順位を明示し、事業精査を踏まえて総合開発計画、実施計画に位置づけして、施策の実現を図っておりますが、政策は時として緊急に構築し、対処する必要があることもご理解を賜りたいと考えるものであります。 現在、行政評価システムと住民満足度評価システム、そして財務評価システムを合わせた行財政評価システムの確立に取り組んでいるところで、このうち連結式の財務評価システムについては既にまとめ、また、住民満足度評価システムについては、昨年調査を実施し、総合開発計画後期計画策定に反映させております。残る行政評価システムについては、庁内で組織する行政評価システム研究会が中心となり、システム設計や事務事業評価マニュアルの作成を進めているところであります。 以上、答弁といたします。 ○議長(蛇口原司君) 細越産業振興部長。             〔産業振興部長 細越雅佐浩君登壇〕 ◎産業振興部長細越雅佐浩君) タラソテラピー施設に関するご質問にお答えいたします。 出崎ふ頭用地への建設については、先般、建設予定地内の地盤の状況と強度等を把握するための地質調査を実施したところであります。この調査によるデータをもとに安全性を最大限に確保した建築基礎工法と建築位置を選定してまいります。また、地震、津波対策につきましては、高台にいち早く避難することが大切であることから、出崎地区への防災行政無線の整備を図るとともに、人命尊重を第一に速やかに誘導できる体制づくりに努めてまいります。 タラソテラピーは、ここ数年来、観光資源として脚光を浴びてきたものであり、国内の先行例はもとより、本場のフランスでも、子供から高齢者まで幅広い年齢層が利用でき、生活習慣病の予防や療養などにも効果があるリピート性の極めて高い観光施設とされております。また、通年型、全天候型の施設であり、近年の健康志向に結びつけた新たな観光スポットとして、これまで宮古地方の弱点とされてきた雨天時や冬場の観光資源として新たな旅行商品の売り込みができるものと考えております。 昨年度作成したタラソテラピー基本計画では、健康増進や生活習慣病の予防のための利用プログラムとして、アクアトニックツアーを、利用料金については健康増進に効果のある利用回数を考慮して会員制による月額 5,000円を提案しております。タラソテラピーはフランスやドイツでは一部の治療に健康保険が適用されるなど、その効果、効能については、既に実証済みであります。また過日、青森県市浦村を視察し、タラソテラピーを実際に体験してきた観光審議会委員や保健推進委員の皆様も、健康増進に効果が期待できるという声がほとんどであります。市浦村においては、タラソテラピー施設を活用した村民の健康づくりと医療費の抑制に取り組んでおります。当市においても、生き生き健康都市宣言の具体化として、タラソテラピー施設を市民の健康づくりの中核施設と位置づけ、健康教室の開催やセラピストの人材確保・育成に努めながら、新たな運動プログラムの開発による会員やリピーターの拡大が必要であると考えております。 以上、答弁といたします。 ○議長(蛇口原司君) 田中尚君。 ◆23番(田中尚君) 再質問をさせていただきます。 まず、1番目の地方分権の時代における市政運営の視点ということでございまして、市長からはお答えがなかったわけでありますが、今の不況を抜け出すためにどうするかと。後で述べますけれども、タラソ施設につきましても、従前の国の政策の位置づけからいけば、地方自治体のいわば単独事業費の確保、この要請にこたえる一つの政策決定だということが言えると思うわけであります。したがいまして、従前は自治体が借金をしたら、後で交付税でバックさせてあげますよと、そういう意味での実質補助金制度ということで、どんどん事業を奨励してきたわけでありますけれども、その結果が 666兆円ということでありますし、今年度の12月には、地方交付税をどう減らすかということが具体化されると。片山総務相は、それはないというふうに言っておりますけれども、これは12月になってみないとわからない。小泉総理の方針は地方交付税を1兆円減らすというのが首相としてのいわば号令でありますから、それができなかったということになりますと、小泉総理自身の実行力が問われてくるという問題もあります。これはこれで、そういうことを前提にしながら、開発計画に計上すべき事業の優先順位ということを考えた場合に、私は、基本は地方自治体のいわば精神をできるだけ酌み取って、言葉をかえれば、住民の生活環境あるいは住民の所得の向上、違った言い方をすれば、直接、住民の暮らしを支援する施策をつくり出す上で、どういうものが市町村にできるのかと、こういう点での政策展開を大いに期待したいわけであります。この点では、さきの市内のある建設会社の倒産に伴う離職者生活支援対策の資金融資という点では、非常に私どもは高い評価を与えておりますし、これは言葉をかえれば、それを利用することによって、市民の方の収入がある程度確保されるということでもあります、将来返さなきゃならないですけれども。 したがいまして、例えば、いま地方自治体が真っ先に手がけなければならない課題は何かといいますと、真っ先に来るのが少子・高齢化という課題であります。増田知事は、これに加えて雇用対策を重視するということも言っておりますけれども、まさに産業振興の一翼でもあります雇用対策、それと少子・高齢化、これにどうやっぱり立ち向かうのかと。実効の上がる政策をどう展開するのかということが、いま求められている政策課題の具体的な中身だというふうに私は考えるわけであります。 そういう意味で考えたときに、開発計画は先日、全員協議会で一応説明を受けたわけでありますが、これは住民の方にも参加をいただきまして答申されたと。作成経過を見ますと、議会は全くのつんぼ桟敷ということで、出てきたものについて、もう、どうこう言える立場ではない。開発計画の前提となります基本構想については、これは自治法に定めがございまして議会の承認が必要となっておりますが、それを実際に実行に移していく各年度ごとの開発計画、これについては、なるほど法律では議会の関与はうたっていないと、こうなっているようでありますけれども、私はそういう点では非常に大変残念な思いを抱くと同時に、地方自治法のいわば開発計画の構想だけ議会が関与して、実際の作成とか、それの実施状況がどうなっているかということについては、なかなか論議の場がないというのは、一つの欠点でないのかなと思っております。 ただ、我々そのたびに予算議会、決算議会もありますから、その都度、その場を通して、できるだけ住民の要望に即したものを市政に実らしていくという場が与えられておりますので、この部分があるのでそうなのかなというふうにも考えておりますが、いずれそういう問題を考えたときに、市の政策課題としては、私は具体的に言いますけれども、例えば公共事業、これは壇上ではむだな大規模開発という表現をしましたが、いま必要な公共事業は、例えば市内を例にとりますと、保育所が老朽化しておりますし、それから公営住宅もここ3年ほど改築が中断しているということもありますし、さらには宮小の屋体も3カ年かけてやろうということでなっておりますし、いろいろあるわけでありますが、そういうものは、私は何はさておいても、この開発計画の中に優先して計上すべき事業ではないのかなと思うんです。つまり住民の生活に密着した公共事業をすることによって、地元の建設業者がそれを受注できるということが可能になる、これは過去にも確認してきた部分なわけでありますが、そううことを考えたときに、後で述べますタラソ施設は、現に市内の建設業者の方も言っておりますけれども、これはもう特にタラソの方は、地元の建設業者には何ら関係ない、せいぜいよくて下請か孫請に入って、余りもうからない。しかし、12億円という大変なお金です。市浦村の場合ですと7億数千万で整備されているようでありますが、宮古の場合には、非常に事業費が高くなっているという実態もあるようでありますね。 そういう意味で、この公共事業の問題をそういうふうに優先させるということが必要なわけなんですが、どうも開発計画を見ますと、その辺が必ずしも明確でない。それはなぜかといいますと、よって立つ政策展開の機軸が、私はともすれば国の財政計画あるいは国の政策に、いわば追随するような形のものにどうしてもなってしまうという実態があるからではないのかなと思うわけなんですが、市長は、過去1期4年間市政を担当しまして、この部分について、実際に後期計画の見直しも手がけておられますし、その最大の目玉となるのが事業費の規模からいいましても、タラソ施設になるわけでありまして、そういう意味で、この政策の具体化に当たっての優先順位という点では、何といいますか、胸を張って事業が推進できるというふうに言えるのか、それともやむを得ない選択だったということになるのか、その辺のところを、ちょっと参考までにお聞かせいただきたいと思います。 それから、これは事務事業評価とも関連いたしますけれども、これから構築しようとしております行政評価の内容であります。この点では、全国的に高い評価といいますか、関心を呼んでおりますのは、三重県の例があるようでありまして、自民党の国会議員だった北川さんという方が三重県の知事になられまして、今や地方自治体の何といいますか、地方から政治を変える、そういう旗手ということで、東京の石原慎太郎さん、三重県の北川さん、あと増田さんも一生懸命仲間に入りたがっているようですけれども、いずれ三銃士とか、あるいは四天王とか、そういうことでマスコミに持ち上げられておりますけれども、この行政評価の部分につきましては、これはあくまでも庁内評価、つまり市民がそれをどう評価しているのかということは今までなかった内容ではなかったのかなと思うんですが、何よりも理念のことを問題にしたいわけなんですが、事務事業の評価基準ということで真っ先に来るのは、その事業に対する市の関与の妥当性ということであります。今このモデルをつくっておりますのは、日本能率協会という一つの団体がございまして、できるだけ行政が手がけるものをどんどん減らしていくと。小泉さんは、それをさらにあからさまに言っておりますけれども、郵政の民営化を含めて、行政をどんどんスリムなものにすると。民間でできるものは、どんどん民間にやってもらおうじゃないかという表現になるわけでありますが、そういう意味で、行政がこれから開発計画に盛り込んでやろうとする事業というものは、非常にある意味では地方自治体の基盤を何といいますか、掘り崩しかねないような、そういう状況にもなりかねないのかなという状況がいま進んでいると、私はそう考えております。 したがいまして、事務事業評価も踏まえて、今後の市政の運営の柱、これは1つは後期計画にまとめられておりますけれども、一言で言えばどういうことになるのかということを、私は壇上では、先ほど申し上げましたような内容であらわしましたが、市長はどのようにあらわされるのか、その点についてもお聞かせをいただきたいと思うわけであります。 といいますのは、市長は前回、選挙を戦う折には、非常にわかりやすい言葉で市政運営の視点といいますか、機軸を表現しておりました。つまりそれは福祉優先のまちづくりという表現だったように記憶しております。違う言い方をすれば、また違った表現もあったようでありますが、私はそれは分解していきますと、結局は地方自治法の精神に忠実に、一つ一つ住民の何といいますか、要望も正確に取り入れながら、やはり実行に移していくと、こういうことと変わりないというふうに思うんですが、改めてその辺のところを含めて、市長から直接お答えいただきたいと思います。 ○議長(蛇口原司君) 熊坂市長。 ◎市長(熊坂義裕君) ただいまの田中議員の質問は、大変重要な重い意味を含んだご質問ではないかと思います。これは前段のご質問のタラソテラピーにもかかわるわけですけれども、また後段のご質問の行政評価ということにつながるわけですが、何を基本として政策を選ぶかということになってくるかと思います。私は4年間やりまして、前回の場合は福祉優先と。それは住民の皆さんの要望がそこにあるからだろうということを、私は肌で医者として仕事をしていたこともありまして感じていたから、そういった公約を掲げて戦ったわけでございます。4年間やってみました。もちろん福祉も相当いいレベルのところまで来たと自負をしておりますが、政策をこれから決めていくに当たって、一体だれが決めるのか。もちろんリーダーシップで、私は選挙で、今回、選挙はありませんでしたけれども、選ばれたという立場から、私のリーダーシップを発揮して決定しても、それは当然、許されるべきことなのかもしれません。また、私が決めたことに対しまして、議会との議論によって私の政策をただすという議会の意思というのは尊重しなければならないわけですし、それによって修正も当然あり得るわけです。また今の時代、これは行政評価とも非常に絡むんですけれども、市民とのやりとり、情報公開や市民参加のもとに、ワーキンググループとか、いろんなものを組織して、あるいは市民のいろんなグループの意見を聞きながら施策を決定していく。そういういろんなことがいま考えられるわけですね。 その中で、行政評価システムというのを私は今度の公約といたしまして、行政評価システムを充実していきたいと。行政評価システムというよりも政策を評価するシステムを重視していく。このことはすべて尽きると思うんですね。というのは政策、私がやりたいこともあります。議会の先生方がやりたいと思うこともあります。市民の方が望んでいることもあります。その中で、どれを優先していくかといった場合に、私はこれはおのずと政策評価システムを、よりよい政策評価システムということですけれども、つくっていくことに尽きるのではないかということに4年間やって気づきました。 三重県がそれは進んでいるわけですけれども、現在、大分古くなってきたということで、評価が大分低くなってきているように思いますけれども、というのは、三重県を抜く各県がいっぱい出てきていますし、市町村でも行政評価でいろんなもので抜いてきております。宮古市も行政評価システムの委員会をつくりまして、私が将来的に、今それを非常に思っているわけですけれども、市民参加、要するに内部で評価するものではなくて外部評価の行政評価システムを入れたいというふうに思っています。用語でいきますとベンチマーク方式ということになるとかと思うんですけれども、このベンチマーク方式に関しては、私もまだ消化不良のところがありますけれども、市民参加を入れた外部評価システムで施策をつくっていく。それはつくる段階から、そういったものでやっていくということは将来望まれる。ましてや地方分権の時代になりましたので、当然そこはやらなくちゃいけないというふうに思っております。 ですから、それをやっていけば、例えば私がやりたいと。確かにタラソテラピーに関しましては、私がリーダーシップということになるかと思いますけれども、絶対につくりたいと。そして現在のところ議会の先生方にも市民の皆様にも、恐らくタラソは市の施策としてやっていいものであるという、私はそういった確信を持っておりますが、だからこそ、この予算も今回 8,922万の設計も認めていただいたと思っておりますし、また先般の全員協議会におきましても、おおむねご承諾をいただいたというふうに思っております。 しかし、タラソに関しましては、多分に昨年の春の時期になるかと思いますけれども、私もかなり相当な決断を強いられました。一方で農水省の補助の期限のこと、それからマリンタウンプロジェクトとの関係で、あそこはあのままにしていいのか。そして農水省の補助である総合交流促進施設を、崎山ということで最初は決まったようですけれども、その場所でも、果たして本当にそれが機能するのか、いろんなことを勘案しまして、タラソをそこに、私は医者の直感でタラソがうまくいくということを実感したわけですけれども、それでタラソも一緒に合築することでどうかということで、議会の皆さんにも諮った経緯もありますし、市民の皆さんにも意見を聞く回数は少なかったかもしれませんけれども、そういうことでぎりぎりの時間的にも選択をしたつもりであります。しかし、そのときの選択は、もちろん選挙で選ばれた市長ですから、それをやっていいのかもしれませんけれども、多分に私の方からお願いという形で決定をしていただいたように私は感じております。しかし、時期が過ぎるにつきまして、このタラソと総合交流施設の合築につきましては、私は非常にいい形の決断ではなかったかという評価をいただいているように感じております。 ただ、そのときに、もし行政評価システムが仮に進んでいたとすれば、それは恐らくいろんな議論がもっと起きてきたと思っております。これからいろんな施策をやっていく上で、一体何をメルクマールとしてやっていくかということになるかと思うんですけれども、そのときに、やはり私は1期の反省も含めて、行政評価システムを早く確立することが、ある意味では市長の、変な話ですけれども、わがままも許さない--私のわがままは絶対的に市民の皆さんにプラスになると確信を持ったわがままという意味でのわがままですけれども--そういうことも、でも間違っていることもたくさんあるかもしれません。そういう中で政策を判断するということに対しての、いろんな意味での判断基準というものを、行政評価システムをつくることによって、私はかなり客観性、公平性を持たせることができるのではないかなと思っております。 ですから、私が今までやったことに関しては、自信を持って市民の皆さんに評価していただけると思って、タラソもそうですが、やってまいりましたけれども、これからの施策に関しましては、早急にそのシステムを立ち上げて、そしてその立ち上げることによって、議会の先生方にももっと我々が考えていることが、多分、行政評価システムによってわかるようになると思いますので、いろんな意味で判断材料をたくさん皆さんの前にお出しできることになると思いますので、そのようなことを今、考えております。 ○議長(蛇口原司君) 田中尚君。 ◆23番(田中尚君) 非常に率直なお答えをいただきました。特にシステムについては、現在、構築に向けて準備中ということでありますので、これはこれとして、できるだけ議会の積極的な関与ができるようにする必要があるというふうに思いますが、今の問題では、産業振興がこれからの市長の目玉だというふうなお話は、どなたも受けとめている課題でありますけれども、これは具体的に言いますと、従来、産業振興を、じゃ、やってこなかったのかということになりますと、私は常に政策の優先順位は産業振興に必要な、何といいますか道路交通網の整備に、あるいは港湾整備に多額な税金を投入してきたという実績はあると思います。 たまたま宮古の場合には、高速交通体系から乗りおくれてしまって、しかも政府の政策が宮古あるいは岩手も含めてなんですが、農業とか漁業とか、そういう日本の国民に食糧を供給する、それが主産業であった地域なんですが、それを海外に依存すると、こういう政策転換によって、やっぱりどんどん都会の方に出てきて、第三次産業あるいは第二次産業に従事すると、こういう中で、今日の地方の衰退が生じているというふうに私は思っているわけでありまして、これからは、じゃ、どうするかということになりますと、高度成長のときには、なるほど企業誘致も期待できたわけでありますが、いま岩手の矢巾のアイワの工場の中止に見られますように、大変日本の誘致企業をするような大きな企業は、もう日本を市場とするのではなくて、世界を相手にしていますので、日本より人件費の安いところにどんどん工場をつくると、もう生産拠点も移して、ある意味では日本の経済を空洞化するということが進行していますので、そういう意味では、この誘致企業一辺倒でもだめですし、宮古に三陸縦貫道が仮に完成したときに、本当にどうなのかなと。今、きょう仮にあすでも通れば、それなりのものが効果が期待できると思うんですが、20年後と言われております完成の時期を考えたら、これはもうどうなるかわからないということの世界だと思います。我々も生きているかどうかわかりませんから。 そういう意味で、私は今、一部に見受けられますけれども、商売をされる、いわば起業家の育成支援ということが、この点での動きも出ておりますし、それからあす、永浦議員が取り上げますので、私は詳しくは展開しませんが、やはり第一次産業、地域の自然条件、地理的条件を生かして、物を生産をしてお金にかえると、こういうのは誘致企業一辺倒ではなくして、むしろそっちの方にこれからシフトしていかないと、なかなかだめだと。しかし、これは大変難しい課題であります。なぜ難しいかと言いますと、所得保障が伴わないところに、なかなか作業もきつい、あるいはせっかく苦労して生産物をつくっても売れない、値段が暴落すると、こういう環境のもとでは私は難しいので、そういう意味で所得保障も含めたものが、これからは国と自治体が一体になってつくっていかなければならないと私は思っておりますので、ひとつそういうふうなことに向けても、行政評価システムの構築とともに、政策的な展望を持ちながら、これはこれとして一つ一つ具体化をさせていただきたいとお願いをしたいというふうに思います。 そこで、2つ目のタラソテラピー施設についての先ほどの答弁を踏まえながら、もう一度質問をさせていただきます。 非常に簡潔な答弁で、あららと思って聞いていましたんですが、まず、あそこの建設地、これは地質調査をすることの意味は、私は現在、合築方式という、しかもプール部分は毎日40tという水量をたたえた施設です。相当建物自体が、タラソだけでも過重、つまり重い施設であります。そういうものが全員協議会でも明らかにされたようでありますが、仮に津波を伴うような地震が来た場合に、あそこの地盤が地下20mにわたって液状化してしまう。そういうおそれがある。したがって、それが生じないような地盤対策もして、それから建てるんだと。これは言葉をかえれば、地盤を強化するために、基礎に大変なお金がかかると、そういうことになっていく、そういうことを意味するんではないのかなと思うんです。 それから、津波対策には、津波の被害をできるだけ最小限なものにするためにといいますが、これは具体的に言えば、高いところに機械設備を置くような設計にするということになるんですね。これも私は無理があると。つまり、土地の形とか位置とか場所、地質を含めて、そこに合ったような経費のかからない、そういう施設をつくるということが、私は普通の地質調査をするに当たっての必要な判断材料でなくてはならないと思います。どうしてもここに建てるために、こういう問題のある施設なんだけれども、どうすればいいかということの調査になっているようで、非常に残念であります。 しかも、先ほど休憩前に、中嶋議員から非常な力説をいただきまして、当局はもう非常にうれしい思いで聞いていたと思うんですが、これは温泉の医療費の節減効果というものは、温泉の水質そのものが初めからリューマチとか、あるいは切り傷とか、あるいは皮膚病とか、そういうものに効果がありますということで、それぞれの地域の保健所が認定をしたのが温泉の特徴であります。したがって、それを利用すれば健康にいいという、これはある意味では、証明の世界であります。市長は賢明にも勉強不足ですということでおっしゃっていましたが、海水を使ったから、いま実際にタラソ施設で言われているような健康増進効果が、医療学的な意味での健康につながるという証明は、残念ながら日本の国内では、それは実証されたものはないのが実態であります。したがって、富山県の滑川市においても、富山大学の医学部の学生さんたちの協力をいただきながら、一生懸命追跡調査をしているというのが実態です。宮古市がつくろうとしておりますタラソテラピー施設は、中嶋議員の意図するものと違いまして、医者も常駐しなければ、それからいわば三位一体といいますか、運動しておいしいものを食べて休んでと、これがフランスのタラソテラピー施設なんです。宮古で考えているのは、運動してもらうだけの、いわば多目的プールと、これがタラソテラピーということに矮小化されてしまっているというのは、我々も十分気をつけなくてはならないし、そのためにフランスとは違って、観光客のいわば宮古に行ってぜひ体験しようというふうにはなりませんよということを私は言っているわけなんですね。 ですから、言葉を変えれば、これは限りなく盛岡市の内陸にもありますが、そのほかにもあります、マースもそうでありますし、もうそういうたぐいのものはどこにでもあるんです。これはこれで、たまに利用するんではなくて、少なくとも週に2回以上とか、あるいは3回とか、そういうことで反復して使うことによって健康増進効果が上がるということは、これは当たり前の世界です。そうだとするならば、私は何も海の水にこだわらなくても、サン・スポーツランドで、一方ではそういう期待も生まれているわけでありますから、私は出崎にもこだわらない、そういう形でのもう一つの温水施設を、室内温水プールをつくるというのも、一つの政策的な判断とすれば、市の財政支出の節約にもなりますし、そういう判断もこれからは必要になってくるのではないのかなと思うんです。市長が最初に整備すると言ってしまいましたから、いろいろ今の段階で考えられるメリットが、ただ単に強調、期待感を持って強調されているだけですよ、これは。私が言いたいことはですね、私はそう思うんです。 そこで、マイナス20mの深さまで液状化してしまうということは、私ちょっと所用があって、全員協議会、席を外しておりましたので聞かなかったんですが、地質調査の結果、そういうふうな状態だということは、非常に地盤が不安定だということにも通ずるわけでありますが、それはそういうふうなことだということで理解していいのかどうか。それから、それに対する対策を講ずるというふうにも説明されたようでありますが、具体的には、それはどういうふうなものになるのか、この機会にお聞かせをいただきたいと思います。 ○議長(蛇口原司君) 土澤地域振興室長。 ◎地域振興室長(土澤永喜君) 地質調査につきましては、この7月から8月にかけまして、出崎地区の4カ所の地点につきまして調査をいたしました。一番海側に近い地点につきまして、ボーリングの調査結果から、良好な支持層が得られないというデータがこの一番奥の地点から出てまいりました。ここの部分は、現在の先端部分から約40mほど陸側に向かった地点でございます。そのほか3カ所の地点をボーリングしているわけでございますが、ここの部分につきましては50mまでの範囲内で適正な支持層が得られるという結果が出てまいりました。これは当初より基礎の工法を支持ぐい工法を考えまして、いわば隣接しています魚市場、それから工場の方の工法と同じなわけですが、そのことを求めるためにやったわけでございます。この4番目の地点、先端部分から40mの地点の部分で60mの部分まで掘っても良好な支持基盤が得られないというデータが出てきましたので、その場合に考えられる基礎工法はどんなことが考えられるかということで、1つ案で出ましたのが、摩擦ぐい工法と言われるものでございます。摩擦ぐい工法を採用する場合には、当然、その摩擦ぐいの範囲内において液状化の可能性のある地質であれば問題だということで、あわせて液状化の状態も調査したわけでございます。そこで、20mまでの間には、液状化の可能性のある土質が含まれるというデータが出てまいりましたので、さて、安全対策を第一にすれば、当然、支持基盤が得られた箇所に建設をすると。しかも支持ぐい工法で建設をするというのが選択の方法としては出てくるであろうというふうに考えていまして、これは当初より考えておった工法ということになるわけでございます。 以上でございます。 ○議長(蛇口原司君) 田中尚君。 ◆23番(田中尚君) いろいろ不安な場所もあるけれども、良好な地点も確認できたと。したがって、そこを中心に建築が可能だというふうなお答えに伺ったわけでありますが、そういう意味では、やっぱり一番不安な部分は、津波対策という部分になっていくということだろうと思います。 それと同時に、青森県の市浦の例が先ほどお話が出たわけでありますが、要するに利用を制限しなきゃならないようなそういう実態があるんだというお話でございました。これは私も体験していますので、よくわかるんですが、観光客がどっと来たからどっと利用できると、もともとそういう施設ではないんです。これは水流をある程度保ちながら、その水流にさからって歩いてもらうというものですから、いっぱい入ってしまったら、もう水流はとまってしまうという施設であります。それから、そのほかにいろんなジェット水流を体の足の裏とか、いろんなところに当てる施設があるわけですが、これが一時に利用できるコーナーは、せいぜい多くて6カ所から5カ所ぐらいです。言葉をかえれば、入ってすぐ利用できる方は5人か6人。したがって、1人当たりの利用時間が大体平均すると1時間半前後というふうに言われております。1時間以上はすると。カラスの行水みたいなぱぱぱっときたら何にもならないので、そういう意味では一番短くても45分、全部ゆっくり施設を楽しむということになりますと1時間半前後が大体平均時間だというふうに言われています。そうすると、1日にこの施設を利用できる人数というのはおのずと限界があるんです。1日に何百人も利用できる、そういう施設ではないんです。だから、そういうものに12億円もかけて、しかもランニングコスト、電気代もかかりますし、燃料は先ほどのお答えですと木質のバイオマス、つまりできるだけ安くコストを上げようというふうな努力の反映だろうと思われますけれども、そういうものを考慮しても、我々に事前に示されている数字は年間1億 1,500万かかると、そういう施設です。 したがいまして、青森県の市浦が、 600人の会員組織ということですけれども、私ちょっと計算してみましたが、 5,000円の方が、これは月々の会員登録ですね。 5,000円使って毎日利用したら、ふろに行くよりも安いということになりますね。 5,000円割る30日ですから。ところが、そういう方々が毎日来られても、今度は収入が頭打ちになって、これは大変なことになると。仮に 600人の方がずっと1年間利用し続けたということになりますと、収入に置きかえますと幾らになるかといいますと、6万円掛ける 600ですから 3,600万円だけです。市浦の場合ですと委託費が 7,000万というふうに聞いております。いま1日の利用平均者数が 200人にいかない。7割は市浦村の住民の方がそういう形で使っていると。毎日のように行く方もいるというふうに聞いております。そうすると、 200人利用があったとして、残りの3割 140人の方が 1,000円払って仮に使ったとしても、 5,000万の売り上げにならないんです。しかも冬場は敬遠されます、豪雪地帯ですから。そうすると、 5,000円払う方が12カ月払うということは、これは考えられないことになっていくんです。ピークで見ても五千数百万、実際にはこれよりも少ない収入しかない。 7,000万以上の利用がないと、もうこれは最初から赤字が必至だということになるものだと思います。赤字になっても市民が健康になればいいじゃないかという議論もあります。中嶋議員の言うように、医療費が節約になったら、トータルで考えたらバランスが合うという考え方もないではないでしょう。しかし、その因果関係といいますか、相関関係は、これははっきりしない。しないどころか医療費については年々ふえ続けて、いま大変な状況だということですよね。 そういう意味では、この何といいますか、赤字の要因として、いま考えているものがそうなんですが、宮古の場合には、それに加えて、1つは排水、海の水を最終的にどこに排水するのかということになりますと、公共下水道で最終的に処理しちゃうのか、あるいは海に流しちゃうのかという問題もあります。このコストがどれくらいなのかということもありませんし、それから出崎地区は県有地でありまして、この第三セクターといういわば株式会社が県から土地を幾ら宮古市が資本を出して参加しているとはいっても、ただで土地を貸すという保障は私はないと思います。そうしますと、この土地の賃料も非常にある意味では経営を圧迫するというふうになっていくわけでありまして、この2つの点については、今の段階ではどのように考えているのかなということも私の疑問点であります。したがいまして、この2つの点について、排水対策と、それから土地の使用料問題については、現時点ではどういうふうな見通しになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。 ○議長(蛇口原司君) 土澤地域振興室長。 ◎地域振興室長(土澤永喜君) 排水対策につきましては、基本的にこの施設は環境対応でいくわけでございますから、公共下水道に流すという前提で検討を進めているところでございます。 それから、土地の使用料につきましては、既に県側の方に対しては無償で貸してほしい旨、要望を出しているところでございますが、まだ結論はついてございません。借り主が第三セクターになるのか、あるいは公共施設として設置するのであれば、宮古市が借り主になるのか、その辺の検討もあろうかと思います。 以上でございます。 ○議長(蛇口原司君) 田中尚君。 ◆23番(田中尚君) 見通しがついた部分と、それからまだ不透明な部分とがあるわけでありまして、いずれにいたしましても、最初に建設するんだということにこだわればこだわるほど、いろんな意味でリスクが高くなっていくという実態をうかがわせるものなのかなというふうにも思いますので、私はこの点についても、十分正確な情報収集と、それから住民の皆さんの意見も踏まえた柔軟な政策判断が、今後我々も含めて、市長も含めてなんですが、市長は議会の皆さんの同意ということは当然だという考えも示しておりますので、その辺も含めて真剣な市民の皆さんに納得のされるような議論を今後深めていくということを、市当局にもお願いをいたしまして、質問を終わりたいと思います。--------------------------------------- △散会 ○議長(蛇口原司君) 本日はこれをもって散会いたします。             午後3時54分 散会...